狩矢警部シリーズ 特別編「京舞妓VS狩矢警部〜乱れ傘の舞殺人事件」
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1996年に亡くなったサスペンスの女王・山村美紗を偲んで制作されたスペシャル版。山村美紗作品の中でも特に人気が高いのは、池上季実子主演の「京舞妓シリーズ」と船越英一郎主演の「狩矢警部シリーズ」。両シリーズの登場人物の個性を活かした本格サスペンスが完成した。
今回の見どころは、舞妓が芸妓になる時の“襟替え”という祝いの儀式。襟替えは舞妓にとって、成人式のようなもの。この日を境に髪形も変わり、芸妓として、芸事に励むことになる。普段は目にすることのない、襟替えの様子が丁寧に描かれる。そして題名にもある「乱れ傘の舞」を舞うのは愛華みれ。傘を自在に操りながら舞う愛華の「乱れ傘の舞」は必見だ。
【ストーリー】
柳坂雪乃(池上季実子)は、祇園の老舗旅館「畑中」の独身の若女将。畑中の近所にある扇屋「京扇堂」の若旦那・光太郎(宅麻伸)と雪乃は、周囲も認めるお似合いのカップルだが、二人は結婚する様子がなく、光太郎の母、昌子(銀粉蝶)は気をもんでいる。一方、狩矢荘助(船越英一郎)は京都府警の敏腕刑事。妻の澄江(山村紅葉)は茶道の先生で、一人娘の和美(前田亜季)は大学生。狩矢は京都の街と人をこよなく愛している。
ある日、祇園の人気舞妓・玉菊(竹中絵里)の襟替えが行われることになった。襟替えとは、舞妓が一人前の芸妓になる儀式で、関係者が集り華やかなパーティーが開催される。玉菊のパーティーには、舞妓と芸妓たちの舞の師匠で、藤枝流の家元、藤枝志保(愛華みれ)とその夫の武(小木茂光)、日本画家の笠木雅巳(橋爪淳)ほか京都の著名人が招待された。雪乃と光太郎、狩矢とその家族も出席する。
パーティーのクライマックスは、舞妓、芸妓たちによる舞の披露だが、その最中、先輩芸妓の菊春(今村恵子)がかつらを押さえて絶命する。かつらに毒針が仕込まれていたのだ。狩矢は現場にいた全ての人間が疑わしいと指摘し、捜査を開始する。