仮面ライダー生誕45周年に当たる2016年を「スーパーヒーローイヤー」と称した東映が、その一環として新たに制作した仮面ライダー作品である。1974年から1975年にかけて放映された仮面ライダーシリーズ第4作『仮面ライダーアマゾン』（以下『アマゾン』）を原典としているが、設定やストーリーはほとんど一新されており、いわゆる一種のリブート作品に相当する。『アマゾン』で敵怪人の通称に用いられていた「獣人」も、本作品では登場する異形の存在全般を指す「アマゾン」に置き換えられており、主人公の変身ヒーロー名だけにとどまらなくなっている。

漫画を専攻する学生の猫屋敷守（松岡広大）には、周囲には秘密にしているもう一つの顔がある。 『骨肉』というペンネームでオリジナルBL漫画を描く同人作家としての顔だ。 同人即売会で認めてもらうこと、人気の証である“壁サー”（会場内で壁際に配置される人気サークル）であることだけが、彼の承認欲求を満たしてくれる唯一のことだった。猫屋敷くんにとって同人漫画の世界は、普段押し殺している自身のセクシャリティや“好きなもの”を全力でぶつけ、評価してもらえる唯一の場所なのだから――。 そんな彼の身に、人生を揺るがす事件が起こる。かつて想いを寄せていた幼馴染であり、ボーイズグループ『SHINY SMILE』のISSAYとしても活動する風間一星（中尾暢樹）との久々の再会だ。 「俺たちの人生は二度と、交わることはないハズだったのに――」 かつて、自ら一星に「お前とは一生会わない」と言い放ち、拒絶した猫屋敷くんは、戸惑いを隠せなかった。 一方、再会を心から喜ぶポジティブモンスターの一星は、猫屋敷くんの葛藤など気にもとめずにどんどん接近しようと試みる。そこには、猫屋敷くんが思いもよらなかった一星の過去と想いが隠されていて……。 SHINY SMILEを狙う週刊誌の記者、関係が近くなるほど感じてしまう格差、 そして“男同士”という問題……。 数々の試練を乗り越えながら、 夢に向かってまっすぐな若者たちが絆を深めていく物語。