怪異談 生きてゐる小平次
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「東海道四谷怪談」「地獄(1960)」など、怪談映画の名手・中川信夫監督が、鈴木泉三郎の傑作戯曲「生きてゐる小平次」の再映画化に挑戦。「赫い髪の女」ほか、日活ロマンポルノ屈指の名女優・宮下順子。「夏の妹」の石橋正次。そして、日本舞踊・藤間流の名門一家に生まれた藤間文彦。この3人が、幼なじみの男女3人に扮し、三角関係のもつれによる濃厚で息詰まる愛憎劇を展開。80分にも満たない簡素な低予算映画ながら、怪奇な雰囲気が全編に充満。1984年に79歳でこの世を去る中川監督の遺作となった。
しがない役者の小平次、囃子方の太九郎、おちかの男女3人は、仲むつまじく育った幼なじみ。いったんは金持ちの家に嫁いだものの離婚したおちかに、彼女に惚れる小平次と太九郎はともに結婚を申し込み、おちかは太九郎の恋女房に。しかし小平次はおちかを今もなお諦めきれずにいた。ある日、太九郎を釣りに誘った小平次は、おちかを俺にくれと懇願するが、怒った太九郎は小平次を沼に突き落とし、小平次は死んだと思われたが……。