同じ孤児院で育ち、深い絆で結ばれつつも離ればなれになってしまったシュウとミズキ。そして大人になった2人は、それぞれスナイパーとして裏街道を生き続けていた。 前作同様、哀川翔と竹内力の2大スターを主演に据えた、三池崇史監督のバイオレンスアクションである。しかし本作では、話題騒然となった前作のような、とてつもないラストを期待する観客を、あえて落胆させるかのようなノーマルな展開だ。逆に、三池監督らしいひねくれぶりといえよう。とはいえ、今回もキテレツで猥雑な魅力にあふれたバイオレンスシーンはたっぷりある。天使の羽をつけた主人公2人の勇姿や、謎の殺し屋3人組のキャスティングなど、実は前作以上に遊び心満載の快作である。

胡桃に寄り添う謎の中年男の存在が気になって仕方がない英男は、立て替えてもらった高級寿司店での飲食代を稼ぐため、カラオケ店でアルバイトをはじめる。ある日、胡桃に誘われて彼女のマンションを訪れた英男は、そこで最高の時間を過ごす。ところが、飲み物を買いに出た英男が戻ると胡桃の姿はなく、部屋のあちこちに血痕が残されていた。

ＢＯＸ39のメンバーの元に届いた一通の手紙。それは、タレント志望の娘が遊ぶ金欲しさにアダルトビデオに出演してしまい、その証拠をもみ消すために翻走しながらも力尽きた母親・柏木幸子からのものだった。ビデオをすべて買い取るために、制作会社に3000万もの大金を支払ったにもかかわらず、結局裏ビデオとして流出してしまったという。お金を捻出するために家まで失い、娘の早苗は消息不明。父親の徹は世間の目に耐え切れず会社を退職。もはや家族は崩壊寸前の状態にあった…！！

ＢＯＸ39に一通の手紙が届く。差出人の名は佐々木直美。「あるスクープを追い、取材中に海で溺死した夫の死因の真実を調べて欲しい」というものだった。すべての謎を解くカギは、調査資料として同封されていた家計簿の切れ端だけ。不可解な事に、掲載予定だった佐々木のスクープ”ある癒着の構造、家計簿は語る”は、直前になって当たり障りのないエステ記事と差し替えられていた。出版社が何らかの圧力に屈したのか！？それとも何らかの交換条件に応じたのか！？

銭湯を営む山岸は娘の学費のため、銀次郎から借金をした。しかし娘の望美は親の気持ちとは裏腹に、キャバクラでアルバイトを始め、大学を休学。娘と仲違いし、銭湯も閉めて夢も希望も失った山岸には、もう利息分を支払う気力も方法も残されていなかった。