女性地狱之歌 尺八弁天
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邦画界の巨匠・渡辺護×希代の天才脚本家・大和屋竺のコンビによる仁侠時代劇の傑作!!!!!! 女侠客・弁天のお加代の活躍を描いた『男ごろし極悪弁天』(70)の続編。渡辺護は脚本を大和屋竺に依頼し、打ち合わせの席で伊藤大輔や山中貞雄の映画について熱く語ったという。その時代劇への思いの強さに応えて、大和屋は純度の高い娯楽活劇を書いた。 物語は、弁天の刺青のお加代(香取環)と吉祥天の刺青のセイガク(国分二郎)の運命の恋を中心に展開する。遠く離れていても、セイガクはお加代がヤクザと戦うのを背の刺青で感知し、敵の親分のもとへ導くために尺八を吹く。すると、お加代も刺青で尺八の音を聞き取り、天を仰いでふっと微笑む。刺青を介して二つの魂が交感する奇跡を渡辺は鍛えあげた演出力で見事に映像化している。 渡辺護はこの会心の作についてこう語っている。「おれは『尺八弁天』を撮り終えたくなかったんだ……