Coo 遠い海から来たクー
7/10
――美しい南の島フィジーのパゴパゴ島に住む海洋生物学者・小畑徹郎とその一人息子・洋助の目の前に“小さないのち”が姿を現したのは、嵐が過ぎ去った静かな朝のことだった。海岸に打ち上げられたそのかわいくて不思議な生き物は、つぶらな黒い瞳で洋助を見つめると「クー!」とひと言鳴いた。その日からそれはクー(COO)と名付けられ、洋助少年との心暖まる交流が始まった。この“COO”こそ、6500万年を超えて生き延びてきた水棲恐竜プレシオザウルスの赤ちゃんだった。しかし、その楽しい日々も長くは続かなかった。絶滅したかに思われたプレシオザウルスの存在を知った巨大な組織が、ある目的のためCOOを利用しようと動き出したのだ。そして、少年の”COO”を守るための戦いが始まった……。